新着情報

「看取り介護」って何ですか?

ブログ

2022年9月24日

 先般、入居契約時にお時間をもらい、ご家族様へ「看取り介護」の説明をさせていただきましたが、最初に「「看取り介護」って何ですか?」とのご質問がありました。生活相談員としては使い慣れた言葉ですが、ご家族様にとっては、あまり馴染みのない用語ですね。今後とも、わかりやすい言葉で説明するよう心がけてまいります。
 さて、人口減少少子高齢化といわれて久しいですが、高齢化の進展に伴い、死亡数は増加しています。日本の1989(平成元)年の死亡者数が約79万人、1日当たり約2,200人だったものが、2040年には2倍を超える水準(約168万人:1日当たり約4,600人)になると見込まれています。
 また、死亡場所については、1951(昭和26)年には80%以上の人が自宅で亡くなり、病院で亡くなる人は10%にも満たなかったのですが、現在では 80%近い人が病院で亡くなっています。少し古いですが、「高齢者の健康に関する意識調査」(内閣府 2012年)によりますと、最期を迎えたい場所について、「自宅」が 54.6%で最も高く、ご本人の希望する場所と実際に最期を迎える場所について差異が見られます。
 このような中、医療や介護が必要となっても、特別養護老人ホームを含め、住み慣れた地域で人生の最期を迎えることを希望される方が多くいらしゃいます。当施設では、「看取り介護について(看取り介護指針)」を策定し、人生の最終段階を迎えるに当たり、ご本人様、ご家族様の意向を最大限尊重させていただくことを基本とし、身体的・精神的苦痛及び不安を緩和し、最期まで自分らしく、穏やかで安らぎのある日々をお過ごしいただけるよう心を込めて可能な限りの支援をさせていただいています。
 病院で死ぬということは、原則として、亡くなるまで医療を受けることです。ご本人様は、経管栄養や中心静脈栄養などの延命治療は望まないと考えていても、反対に、ご家族様は受けさせたいという思いを持つ方もいます。実際、ご本人様の最期が近づいたとき、どのような医療を受けたいかについて、ご家族間で話し合ったことがある人は4割程度しかいません。もしもの時に備えて、ご本人様が大切にしていることや望み、どのような医療やケアを望んでいるかについて話し合うことは重要です。話し合いを通じてご本人様の価値観を共有することで、もし、ご家族様がご本人様の代わりに治療やケアについての難しい決断をすることになったとき、ご家族様にとって重要な助けとなります。
 最後に、福岡県が作成した「住み慣れた施設で最期まで暮らすということ」(入居者のご家族向けパンフレット)には、「施設での看取り」、「施設で看取ったご家族の声」、「最期のときが近づいた時に訪れる変化」などが記載しており、参考になります。一読されることをおすすめします。

お知らせ一覧へ戻る